歴史上の人物には破天荒なエピソードを残した偉人がたくさんいます。
芸術で才能を花開いた天才達も、多くの破天荒エピソードを残しました。
今記事では古今亭志ん生、手塚治、升田幸三という天才達のエピソードをご紹介致します。
古今亭志ん生
5代目古今亭志ん生は昭和を代表する落語家です。
滑稽噺から人情噺までネタ数が多く、独特のフラ(キャラクター)と確かな実力で「天衣無縫」と評されました。
少年時代から買う・飲む・打つに熱中して、10代で家出をしてから1度も家に帰りませんでした。
落語家になってからも落ち着かず、何度も師匠から破門を食らい改名を繰り返し「なめくじ長屋」という貧乏屋に住み着いた生き様も面白く、よく枕の話題となりました。
近年では大河ドラマ「いだてん」で主要人物として描かれました。
金原亭馬生と古今亭志ん朝の父親としても有名。
師匠宅の火事に突っ込む
大河ドラマ「いだてん」でも破天荒なキャラクターとして描かれましたが、実際の志ん生は創作よりも破天荒という稀有な人物です。
師匠である柳家三語楼の家が火事になったとき、なにを思ったのか志ん生は火事のなかに突っ込みます。
師匠の思い出の品を守ろうとする殊勝な弟子と思いきや、戻ってきた手にはネタ帳が…
そう、どさくさに紛れて師匠のネタをねこばばしてしまったのです。
お世話になっている師匠の災難につけこむとは、何度も破門になる理由が分かる気がするエピソードです…。
地震が起きたら酒屋に突っ込む
関東大震災が起きると、避難をせずに今度は酒屋に突っ込みます。
基本的に災害が起きるとその渦中に突っ込むスタイルです。
志ん生としてはどうせ死んでしまうなら、最後の1秒まで大好きな酒を飲んでいたいという気持ちなのでしょうが、この時はすでに結婚もしていて妻は妊娠中、一家の大黒柱としては余りにも責任感のない行動に思えます。
生涯を通して酒によるしくじりは数知れず、志ん生=酒というイメージは切っても切れないものになります。
高座の上で居眠り
酒を飲んで酔っぱらって状態で高座に上がることもしばしばだったようです。
ある時、高座に上がったまま居眠りをし始めるました。
それを見た客は、怒るどころか珍しいものが見れたと満足して帰って行きました。
まさに落語を聴きにきているというよりも、志ん生を見に来ているという状態ですね。
後に志ん生と同様、破天荒との評を得た立川談志は、高座では非常に真面目な人間で、二日酔いのまま高座に上がったことなど一度もないと弟子が語っています。
手塚治
言わずと知れた「漫画の神様」です。
今日の世界に誇る漫画文化の土台を作りあげた最大の功労者の一人です。
作風はファンタジーから歴史もの、少女漫画までなんでもこなす天才でした。
天才は変人が多いと言いますが、手塚治もご多分に漏れず面白いエピソードをたくさん持っています。
こだわり
天才はこだわりが多いというイメージがありますが、こだわりとわがままは紙一重。
手塚にはわがままともいえる行動も多かったようで…
才能のある若手に嫉妬
手塚は過去に築き上げてきた功績にこだわることなく、常に第一線の漫画家として戦う姿勢を持っていました。
そのため、自身の作品を投稿することができないという理由で漫画賞の審査員から降りています。
あるパーティーの席で水木しげるに会った際にはこんなことを言い放ちました。
升田幸三
升田幸三は昭和を代表する将棋の名人として有名です。
「新手一生」という自ら掲げた言葉の通り、新手を編み出し続け将棋ファンから人気がありました。
また同門の大山康晴とのライバル関係は広く知られています。
名人に香車を引いて勝つ
升田幸三は少年時代は剣豪目指していました。
しかし、自転車で転んで大怪我を負い夢を諦めます。
その後新たに見つけた将棋の名人という夢を叶えるために、たった14歳の時に家を出ます。
家を出る際、物差しこのように書き残しました。
「この幸三、名人に香車を引いて勝つ」
同じ家出でも志ん生とはまったく違います。
そして後にその夢を叶える唯一の人間となります。
怖い先輩
まだプロになる前のこと、大山康晴少年(後の名人)は床屋で散髪中に調子に乗ってこんなことを言ってしまいます。